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青山のシャツ屋の親爺

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2006年 04月 07日

第一弾・短編小説だゾ~!題名は→南蛮漬け

さてさて書きはじめるか~!・・・・・・・・・。

人ごみで混雑している東京駅!
新幹線の時間が有ったので、地方物産展の会場を橋本慎三はぶらぶらしていた。
あと5年で定年かとかを考えながら・・・・・。
あれ~懐かしいな~南蛮漬けか~。
思い出すな~!
あれはまだ慎三が小学校の5年生のころだった、慎三は大阪の船場生まれで繊維問屋の息子としてまあまあ裕福な家庭に育った。
彼の通っている愛月小学校は、府内でも有名な小学校で進学校でもあり、越境入学生が沢山通っていた。
夏・冬の制服もあり、夏・冬とも半ズボンにソックスと言うスタイルの小学生が多かった・・・・・!
慎三はまったくの勉強嫌いで、いつも宿題を忘れて(忘れるのではなく、やっていかないだけなのだけど・笑)廊下に立たされていたが、性格は明るく、いつも運動会ではヒーロー的な存在の小学生だった!
秋になり、九州から転校生が入ってきた名前は横山章君だ。
坊主頭に、頭の斜め後ろに五円玉ほどの白髪が有り、長ズボンにセーターだった!
お母さんが、付き添いできたが清潔にはしているが見るからに着古したブラウスにセーターそれにスカートである。
横山君は、先生から紹介され挨拶したけど九州なまりは無いようだ。
席は、僕の前で何かと世話をするようになり帰りも同じ方向なので一緒に帰るようになった。
ある日、横山君を誘い僕のうちに遊び来ることになった。
近くの神社で待ち合わせをし、家に来た!
彼は、着たきりすずめではないけれど、いつも同じセーターにズボンだった!
ぼくは子供心に、何か可哀想だな~と思った。
お袋が、紅茶とケーキ、それにザラメ砂糖のおかきを出してくれた。
トランプをしたり、探検ごっこをしようと、店の倉庫で遊んだりして楽しいひと時をすごし
その日は別れた。
宿題は、やはりその日もしなかった・・・・・・・・・!(家庭教師が来ているのにネ)
◎慎三は本当に勉強の嫌いな、おバカさんだったんですな~(笑)!
あくる日、横山君が今度は僕の家に遊びにおいでよと誘ってくれた。
ええ~ヨ~行くヨ~と二つ返事で即答した。
いつもの神社で待ち合わせして、横山君の家に遊びに行った。
それは、5階建てのビルで裏口から入った。
屋上で遊んでりしていたら、横山くんのお母さんが階段を事務作業服を着て掃除をしていた、
こ・ん・に・ち・わ~!
と、挨拶をしたが横山君のおかあさんは笑顔だったが会釈だけだった。
そのビルの4階に食卓テーブルが6つほど整然と並んでいた部屋があった、それはそのビルの社員食堂だったのだ。
横山君親子は、そのビルで住み込み、おかあさんが、まかない及び掃除等々をして生活していたのだった!
横山君が、橋本、お前とこでケーキ食べたけど、今日、お母チャンは忙しいからまだケーキ買ってないんねん、その代わり内緒だけど食堂の冷蔵庫の中にとっても旨い、黄色い大根の漬け物が有るから食べさしたるワと、横山君はどんぶりに入った、たくわんを出してくれた・・・・・・!
つまんで食べてミ~よと差し出してくれた、僕ははじめて食べる触感だった。
なんか甘酸っぱい味がするナ~と彼に言うと、これは九州の漬物で南蛮漬や~と自慢げに横山君は答えた。
慎三は、ケーキも美味しいけど、この漬物ホンマにおいしいナ~と又ひとつ、つまんだ・・・・・・。
横山君はニコリと嬉しそうに又、微笑んでいた。
冬休みが終わり一月の学期に横山君は登校してこなかった。
先生から急に転校していったとのことだった。
ほんの3ヶ月程の付き合いではあったけど慎三は、子供心に何か物悲しく、そして申し訳ない気がした・・・・・・あいつは精一杯の・・・・・・。

・・・・・・・慎三は、片手に南蛮漬けの包みを持ってホームに立っていた。
            
                                               続くかも・・・!                                    
                   ご覧頂き感謝です!

by kspapa6934 | 2006-04-07 14:02 | 短編小説


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